不動産投資ニュース
四季報で自分好みの会社を探そう

FINDING FUNDS編集部です。
金融市場の変化が激しくなってきました。世界各国の中央銀行が利上げを行い、景気を急激に引き締めているからです。その影響が雇用環境に表れてきました。象徴的なのが、アメリカを代表する有名企業の収益力減退、大量解雇のニュースです。その衝撃は、皆さんの心にも残っているのではないでしょうか。代表的な事例を見てみましょう。
・Meta(META, 旧称Facebook):当期純利益が半減。11,000人(会社全体の約13%)を解雇。
・Twitter(TWTR):イーロン・マスクCEOの指揮のもと、3,700人(会社全体の約50%)を解雇。
・Amazon(AMZN):従業員の採用を停止。約10,000人(会社全体の3%)を解雇。
コロナ前、時代の先端を走っていた大手IT企業の株価は軒並み下落。金融市場の変化に耐えきれず、クレディスイスやゴールドマンサックスといった世界的な金融機関も解雇の波が押し寄せています。
日本では黒田総裁率いる日本銀行が金融緩和を続けているため、海外と比べると影響は軽微です。しかし、世界経済と国内企業の景気は強く結びついているため、いずれは同じように収益力減退、大量解雇の時期が始まるものかと思われます。
さて、皆さんが会社のことを調べるときは、どのようなことをしていますか。スマートフォンで手軽に情報をキャッチできる時代ですが、注意しないと間違った情報を掴んでしまう可能性があります。私が証券会社に勤めていたころ活用していたのが、東洋経済社の「会社四季報」という書籍です。四季報を読めば、ビジネスはもちろん、日常生活に役立つ情報も得ることができます。
会社のことが一目で分かる辞書
四季報は、日本で活躍する企業のことが一目で分かる辞書のようなものです。以下、東洋経済社から引用した図をもとに学んでいきましょう。証券会社で働いている時には、四季報をトイレに置き、毎日眺める習慣をつけていました。どこに注目していたのかもお伝えしていきます。

四季報を読んで学べること
①業種
会社が営む事業の種類が記載されています。皆さんが働いている業種で調べてみたり、学生の方であれば将来働いてみたい業種で調べてみたり、まずは関心ある場所から読んでいくと楽しいですよ。
②社名・事業内容・本社住所・仕入先・販売先
本社所在地が地元に近いと、なぜだか気分が高揚します。会社の創業地であることが多く、ルーツを探るきっかけになります。Google MAPなどで本社近くを疑似的に散歩してみるのもおすすめです。
③事業記事・材料記事
東洋経済社の担当記者が、その企業のことを丹念に調べ、事業の現状とこれからを短い文章で分かりやすくまとめています。こちらを読むだけで、その会社の大まかな内容が理解できます。気になる会社はここを要チェックです。
④業績数字
現在から2年先までの業績見通しが記載されています。証券会社に勤めていたころ、特に注意して見ていたのが経常利益の変化です。経常利益とは、会社が通常の業務で稼いだお金を示す数字であり、この数字が上がっていれば、業績は好調と言えます。
⑤前号比矢印・会社比マーク
四季報は3か月に一度発売されるのですが、前の号と比べて業績が良くなったかどうかが一目で分かるようになっています。ニコニコマークは営業利益が今後伸びていくと予想されている印。これを見つけると、こちらまでニコニコになります。
⑥配当
株式会社は1年で得られた利益を「配当」と呼ばれる形で株主に分配しています。株主が受け取った、又は受け取る予定の配当金額が記載されています。配当については次回コラムで学んでいきます。
⑦株主
誰が会社を所有しているか記載されています。浮動株というのは、1単元(株の最小購入数のこと。1単元=100株です。)以上50単元未満の株主が所有している割合を指します。この割合が多いと株が広く浅く保有されているということになります。
⑧役員・連結会社
所属する役員の名前が記載されます。
⑨財務
会社が保有するお金、稼いだお金に対する分析内容が記載されます。財務分析については、また別コラムにて学んでいきましょう。
⑩資本移動・株価推移・特集企画・業種・時価総額順位・比較会社
比較会社は要注意です。ライバル会社の動向は、③にて確認しておきましょう。
⑪株価チャート
株価の動きを確認することができます。キレイな右肩上がりの株価チャートは投資家から人気を得ている証拠と言えます。
⑫株価指標
PER, PBRといった指標と最小購入単位が記載されます。指標については別途コラムにて学びます。予算にあった株を探すため、最小購入単位には気をつけましょう。
百聞は一見にしかず。四季報は書店に必ずといっていいほど置かれている書籍ですので、ぜひ手に取ってご覧ください。会社を四季報で調べることは分かったものの、株を買うとどんないいことが起こるのでしょうか。次回は株主になるとはどのようなことか学んでいきましょう。
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この記事を書いた人

ファイファン編集部中の人
証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター
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