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不動産投資ニュース

2023.1.25

売上構成から見る会社の特徴

FINDING FUNDS編集部です。

2022年10月に始まった全国旅行支援ですが、今年も引き続き実施されることとなりました。上限金額が課されるものの、旅行代金の20%が割り引かれるため、家族や友人とで思い出を作るチャンスとなりそうです。せっかくですし、色んなところへ出かけたくなる気持ちはありますが、お金を使うときには少し注意が必要です。なぜなら、昨年から続くインフレが収まる様子がなく、お金の価値が目減りしているからです。

2022年12月23日に発表された消費者物価指数は、前年同月比で3.8%の上昇となり、インフレが収まる様子がありません。総務省発表資料から、主だった値上げ品目を上げてみましょう。いずれも前年同月比の数字です。

ハンバーガー(外食)…17.9% / 食用油…35.0% / レタス…36.9% / 都市ガス代…28.9% / 携帯電話機…20.1% / ペットトイレ用品…18.2%

いかがでしょうか。身近な食品やサービスの価格がジワジワと上がってきており、皆さんもお金を使うときに高くなったなぁと思う時が多くなっているのではないでしょうか。例えば回転寿司は、かつて1皿100円だったものが、今や1皿120円まで値上げされています。家族で気軽に外食を楽しむという雰囲気が徐々に変わりつつあります。

インフレはお金の価値を引き下げるため、お金で交換できる商品やサービスの総量は減ってしまいます。厚生労働省が1月6日に発表した毎月勤労統計調査によると、物価上昇を考慮した実質賃金は、昨年同月比で3.8%も下落しています。企業が賃金を上げないと、以前と同じような生活は続けられなくなってしまいます。

これに対応するために、政府が主導して企業に賃金を上げる呼びかけをしています。最近ではUNIQLOで有名なファーストリテイリングが国内の従業員を対象に年収を最大で40%引き上げるというニュースが話題となりました。賃金が上がれば優秀な人材も集まりやすくなります。そうすれば、収益性の高い事業が作りやすくなります。

賃金は1つの例ですが、投資判断するときには、長期に利益を稼ぐ会社に投資したいですよね。今回は5大商社の売上高を事業別に分析していきましょう。各社の特徴を浮き彫りにして、今後も利益を稼いでくれる会社なのか見ていきましょう。

5大商社の売上比率

伊藤忠商事 │生活消費関連事業が収益の柱

(出所)伊藤忠商事「有価証券報告書 第98期(2022年3月期)」より、編集者作成

伊藤忠商事は、食料や住生活といった生活消費関連事業が主な収益の柱となっており、資源価格の変動による影響を受けにくい事業構成となっています。「コミットメント経営」という、定めた目標を達成する経営方針のもと、安定した収益力を誇る点が魅力です。

丸紅│食料関連事業で大きな存在感を発揮

(出所)丸紅「有価証券報告書 第98期(2022年3月期)」より、編集者作成

丸紅は、食料や農業といった食に関する事業が収益の柱です。例えばコーヒー豆輸入は業界の約30%のシェアを誇っています。大豆で作るお肉など、フードテック領域の開発にも力を入れており、食糧難に向けた先手を打つ事業も魅力です。

三井物産 │得意な資源領域を堅守し、生活産業へ進出

(出所)三井物産「有価証券報告書 第103期(2022年3月期)」より、編集者作成

伊藤忠商事とは対照的に、資源領域に強みを持つ三井物産。鉄鉱石、銅、原料炭などの地下資源採掘で優位性がありますが、これらの価格変動が売上に大きな影響を与えています。最近では収益の安定性を求め、病院事業を中心としたヘルスケア事業に積極的に進出しています。

住友商事 │通信や生活・不動産事業に強みを持つ

(出所)住友商事「有価証券報告書 第154期(2022年3月期)」より、編集者作成

ケーブルテレビ事業やテレビ通販事業、5G関連事業など、次世代のデジタル技術のサービス拡充に特徴があります。不動産ファンド事業も活況であり、物流施設の開発・運用に定評があります。子会社の住商リアルティ・マネジメント社が運用する不動産の規模は約7,000億円と、商社系ファンドの中でも大きな存在感があります。

三菱商事 │売上で圧倒的な存在感、業界の雄

(出所)三菱商事「有価証券報告書 2021年度(2022年3月期)」より、編集者作成

三菱商事は、事業の成長性、収益性を絶えず管理して、成長の柱となる事業を育てる「循環型成長モデル」を推進しています。事業バランスが良く、市況変化に対応する力が強いことが特徴です。コロナ禍で落ち込んだ収益も、自動車関連や養殖事業を中心に改善がされました。

以上、5大商社の売上構成を見ました。各社とも広い事業領域がありますが、売上高構成を分析することで得意な分野が異なることが分かりました。最近では資源価格の変動が激しいため、事業の多角化を目指している印象を受けます。さて、各社は最近の激しい市場変化をどのように乗り越えようとしているのでしょうか。各社が目指す目標は何でしょうか。次回のコラムでは、これらの疑問に対する答えを中期経営計画書から読み取っていきます。

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ファイファン編集部中の人

証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター

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