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持続可能な社会に向けた企業の取り組み

FINDING FUNDS編集部です。

大手格付機関であるフィッチ・レーティングスがアメリカの国債格付けを最上位である「AAA」から「AA+」に引き下げました。8月1日に発表された声明によると、「今後3年で予想される財政状況の悪化、高水準で拡大しつつある一般政府債務負担、過去20年間の他のAAおよびAAA格付け諸国・地域と比較したガバナンス(統治)の低下を反映している。この間、債務上限の対立と土壇場での解決が繰り返されてきた」と、格下げの理由を述べています。「債券の仕組みを知ろう」(2023年6月28日付コラム)の冒頭で取り上げた米債務上限問題が、今回の格下げの要因と言えます。

フィッチは日本の金融政策についても言及しており、イールドカーブ・コントロール(YCC)は、「日本の格付けを下支えする重要な役割を果たしている」と評価しています。しかし、日銀は7月28日の会合で「長期金利の上限は0.5%を「めど」としたうえで、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることを容認する。」と、YCCを修正しました。日銀は長期国債の利回りが0.5%となるよう無制限に国債を購入していましたが、修正後は利回りの目途が最大で1.0%となります。フィッチが「重要な役割」と指摘しているYCCが、仮に撤廃されるようなことがあれば、日本国債の信用が落ち込み、米国債と同様に格下げとなる可能性があります。

格下げがされると、債券の価値が下がり、利回りは上昇します。国債の金利が上昇すると、それにつられて他の債券の価格は下がります。また、国債金利の水準は銀行の貸出金利にも影響を及ぼすので、銀行全体の収益が悪化する可能性が出てきます。高い金利でお金を借りたくないと思う企業が増え、事業活動が冷え込むと考えられます。

米国債の格下げが起因となり、年後半には世界的な景気後退が進むとの予測が出てきました。確かにモノやサービスの価格が上昇し続けており、経営者にとって難しい局面となっています。その中でもESGを意識して事業に取り組む企業があります。

業界によって変わる企業の取り組み

ESGの取り組みは、企業が取り組んでいる事業活動によって千差万別です。更にESGは売上や利益といった数字で換算されないものであるため、確固たるモノサシがありません。そこで、環境省が発表している「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」を参考にします。この賞は、ESGに積極的に取り組む金融機関、諸団体、企業を評価・表彰し、その内容を関係者と共有することを目的としています。アワードは5部門に分かれており、それぞれの部門で金賞を受賞した企業を見ていきましょう。

[投資家部門] 第一生命保険株式会社

機関投資家として投資判断のプロセスにESGの要素を組み込み、特に気候変動問題の解決を最重要課題として取り組んでいます。再生可能エネルギー発電を始めとする各種事業などに対し、約5,900億円を投資しています。

[間接金融部門] 株式会社静岡銀行・静岡県信用保証協会 / 株式会社三菱UFJ銀行

静岡銀行では、企業活動がESGの要因に与える影響を分析し、ESGに対するプラスの貢献を向上させ、マイナスの影響を緩和させるような取り組みを支援する融資を行っています。企業がESGに貢献する活動を、お金を貸し出すことで支援する一例と言えます。2022年にはESGやSDGsへの取り組みに対して資金供給をする「サスティナブルファイナンス」にて、3,483億円の融資を行っています。

また、三菱UFJ銀行では、メガバンクならではの規模感で企業支援を加速しています。企業のESG戦略に沿って目標を設定し、その目標の達成状況に応じて借り入れ条件が変動する「サスティナビリティ・リンク・ローン」という融資商品を提供しており、その組成額は2020年で96億ドルと世界第2位の規模となっています。(1位はBNPパリバの117億ドル。)

[資金調達者部門] 三菱地所株式会社

サスティナビリティ・リンク・ボンドの取り組みが高く評価されています。これは企業が事前に設定したESG目標の達成状況に応じて金利などの条件が変更される債券です。企業側としては、ESG目標を達成する動機付けとなりますし、投資家側としては資金供給を通じてESGに貢献できるという付加価値が生まれます。

[金融サービス部門] ブルームバーグ・エル・ピー

日本国内2,200社以上、世界中の1万5,000社のESGデータを提供しており、企業が持つ情報を投資家に伝える役割を担っています。ブルームバーグは全世界で35万人以上が利用しており、ESGを情報面から支えていると言えます。

[環境サステナブル企業部門] アサヒグループホールディングス株式会社 / 味の素株式会社

アサヒグループホールディングス社では、2025年までに、日本国内全生産拠点での購入電力の再生可能エネルギー化を目指す方針であり、2030年までにPETボトルを全てリサイクル素材、バイオマス素材といった環境配慮素材に切り替える予定です。

また、味の素社では、2030年までにプラスチック廃棄物の排出をゼロとする目標を掲げ、製品の生産工程でのフードロスを減らす取り組みを続けています。2018年比で2021年にはフードロスを23%削減しており、食品企業ならではのESGへの取り組みと言えます。

あなたの投資が未来の社会を変えていく可能性があります。ぜひ投資先を選定される時には、その企業がどのような取り組みをしているのか見てみてください。

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ファイファン編集部中の人

証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター