不動産投資ニュース
新しい不動産投資?不動産STO(不動産デジタル証券)を解説①
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FINDING FUNDS編集部です。
ブラックフライデーでお掃除ロボットを買い逃してしまいました。皆さんの中には、「お掃除ロボなんて、段差で止まるし、邪魔になって使わなくなるのではないか」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、最近のお掃除ロボットはとてつもなく進化しています。高性能なセンサーで障害物を避けながら、掃除・床拭き・ゴミ出しを全部自動でやってのけます。値段が10万円超えと中々手の届かない高級品ですが、日ごろのお掃除の手間が省けること間違いなしです。
不動産投資も日を追うごとに進化しており、最近では不動産STO(セキュリティートークンオファリング)が話題に上がっています。どのような商品なのか、今回のコラムで学んでいきましょう。
クリスマスに取引が開始される不動産STO
実は2023年12月25日(世間はクリスマスと年末の慌ただしい空気が漂う時期です)に、不動産STO商品が誕生します。まずが、それぞれの商品を見ていきましょう。
・共通事項
販売会社 | 証券 | 口座 | 税金 | 取引所 | 一口 |
証券会社 | 受益証券 | 特定口座可 | 申告分離 | START※ | 10万円 |
いちごRT芝公園・東新宿他4件(取扱い証券会社:SBI証券)
タイプ | エリア | 物件数 | 運用期間 | 予想利回り |
レジデンス | 東京圏 | 6物件 | 5年2か月 | 4.1%(税前) |
・KDXSTドーミーイン神戸元町(取扱い証券会社:大和証券)
タイプ | エリア | 物件数 | 運用期間 | 予想利回り |
ホテル | 関西圏 | 1物件(共有) | 14年9か月 | 3.03%(税前) |
いずれも証券会社で購入でき、その後は取引所を通して売却できるため、一定の流動性があります。この点はJ-REITと似ていますね。一口10万円~購入でき、上場株式と同様の税制が適用されるのも大きなポイントです(5口以上の申込が必要)。
前者は都内の複数レジデンスが対象になっているのに対し、後者はホテル(変動あり固定賃料)になっています。ちなみに、後者の運営会社者は「ドーミーイン」シリーズで有名な共立メンテナンスであり、宿泊された方は多いのではないでしょうか?投資家にとって、馴染みのある不動産に投資ができるのも不動産STOの特徴の一つです。なお、後者の分配利回りですが、2期目からは4.21%(税前)予想です。
皆さんはどちらの商品に魅力を感じますか?今後、多種多様な不動産STO商品が販売されていくと考えられますので、商品の仕組みについて把握しておきましょう。
不動産STO=不動産のデジタル証券化の仕組み
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不動産STOとは、ブロックチェーン上で管理される証券で、特に裏付け資産が不動産(厳密には、不動産信託受益権)である証券を、投資家が購入することを指します。こうした仕組みの金融商品は、不動産デジタル証券とも呼ばれています。
通常、このような不動産を証券化する仕組みを作ろうとすると、運用にかかる費用がかかり、小さな規模で始めるとコスト倒れとなってしまいます。そのため、数億円という小規模の不動産ではなく、数十億円から数百億円という大きな規模の不動産で運用をして、そのコストを上回る収益を上げる必要があります。J-REITはその一例で、証券会社を通じて購入することができます。運用対象の裏付け不動産は最低でも11物件(森ヒルズリート投資法人、2023年11月現在)といった規模となっているのが現状です。
そこで、ブロックチェーンの技術が利用されます。ブロックチェーンとは、Bitcoin(ビットコイン)でおなじみの仮想通貨や暗号資産に共通して利用されている技術で、情報を厳格にかつ低コストで管理することができるようになります。この技術を応用することで、J-REITのような大規模な不動産運用と比べると規模を小さくした運用が可能となり、取引自体もブロックチェーン上で記録されるため、取引も簡易になります。
冒頭のお掃除ロボットと同じように、日々の技術進化の恩恵を受け、生活スタイルや投資手法が発展しています。次回のコラムでは、不動産STO商品(不動産デジタル証券)のメリット・デメリットを含む特徴を解説していきます。
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ファイファン編集部中の人
証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター
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