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格付けで企業の評価を見よう

FINDING FUNDS編集部です。

先日、大学のOB会に出席しました。あるテーマを決めて各々の意見を伝え合うという、学びの場として提供されているイベントで、コロナ後初めての開催となりました。事業会社で活躍されている諸先輩方を中心に50名ほど集まった会でしたが、当日のテーマが「日本企業の経営指標は、何を重視すべきか」というものでした。お酒を飲みながら語り合うテーマとしては、少し小難しい印象でしたが、テーブルごとに分かれたグループで話を伺ってみると、事業会社ごとに着目するポイントが異なっており、面白い発見でした。

営業利益の上昇率を見る会社や、ROEという投資効率をみる会社、はたまた従業員満足度をアンケートで計測する会社もありました。利益や投資効率など、数字で比べることができるものを捉えることを「定量的」、従業員の働きがい、社内のコミュニケーションなど、数値化できないものを捉えることを「定性的」と呼びますが、各社とも定量的な指標を重視しつつ、定性的な指標も取り入れる工夫をされていたことが印象的でした。

これは私の意見ですが、会社は従業員の活躍により利益を生み出すことができています。なので、利益目標を掲げて、それに固執してしまうのは、間違ったことだと思っています。経営にはある程度の指針が必要ですが、その目標に向かうエネルギーは従業員の気持ちです。なので、定性的な指標を取り入れていこうとしている事業会社が増えているのだと感じました。新型コロナウイルスの流行をターニングポイントとして、従来の働き方が見直されつつあることも背景にあります。

皆さんが考える「良い会社」とは、どのような会社でしょうか。毎年利益を安定的に生み出す会社、福利厚生がばっちり整っている会社、はたまた落ち着いて働ける会社かもしれません。会社に対する評価の軸は、人によって千差万別です。これという正解がないのが当たり前です。しかし、会社を評価する軸は複数持っていた方が、将来的に判断を迫られたときの手助けとなります。今回のコラムでは、財務的な側面から企業を評価する格付けについて学びます。格付けは、過去のコラムでお伝えした債券に投資するに当たって、大変有益な情報をもたらしてくれます。

企業の信用力でグループ分けする

格付と聞くと、私はお正月恒例のバラエティ番組を思い浮かべます。身の回りにある商品、サービスの一級品と三流品を見分けるクイズを出題し、その正回数に応じて芸能人をランク付けするという番組です。クイズに間違い続けてしまうと、最終的にはテレビ画面からタレントの姿が消えてしまうという罰ゲームが待っています。タレントにとってテレビ画面から消えてしまうことは、この上ない屈辱なのではないでしょうか。格付とは、評価機関が評価対象を分析し、グループ分けすることを指します。

企業にとって、自社の格付は資金調達を左右する重要な要素です。まず、格付機関が企業の支払能力を評価します。格付が高い企業は、借りたお金が返せなくなるという事態(債務不履行と言います)に陥る可能性が低く、金融機関や投資家にとっては安心してお金を貸し出せる先であると言えます。逆に格付が低い企業は、お金を貸しても事業が立ち行かなくなり、お金が返ってこない可能性が高いと言えます。格付機関には、国外ではムーディーズ、S&P、フィッチ・レーティングス、国内では、格付投資情報センター(R&I)や、日本格付研究所(JCR)などがあります。ちなみに過去コラムでお伝えした楽天モバイル債は、JCRによりAという格付けを得ています。

JCRは日本企業の約6割を格付けしている日本を代表する格付け機関です。JCRが調査し、発表するAという格付けはどういった意味を持つのでしょうか。JCRの説明によると、「債務者(発行体)の債務全体を包括的に捉え、その債務履行能力を比較できるように等級をもって示すもの」と記載されており、具体的には下図のようにランク付けされています。図中に債務不履行という言葉がありますが、これは『金融債務の元利金支払が当初約定通りに履行されない状態』(JCR)を指します。つまり、借りたお金の利息や元本を返済できない状態を指します。

「長期発行体格付」

(出所:株式会社日本格付研究所(2014)「信用格付の種類と記号の定義」)

この図を見ると、楽天モバイル債は「債務履行の確実性は高い。」という評価をJCRから得ているということが分かります。一般的にBBB(トリプルビー)以上の格付けを取得している債券を投資適格債と呼び、債務不履行のリスクが低い債券とみなされています。逆にBB(ダブルビー)以下の債権を投資不適格債(ハイ・イールド債)と呼び、債務不履行のリスクが高い債券とみなされています。投資不適格と記載ありますが、リスクが高い分、債券の利率が高く設定されているため、こちらの債権を好む投資家もいます。ここでも、リスクを取るのか、そうでないのかという投資に対する考え方が出てくる訳です。

ここまで株式、投資信託、債券と学んできました。これらの投資商品のバランスを考えながら投資をしているのが、私たちの年金を管理しているGPIF(年金積立金管理運営独立行政法人)です。次回はおさらいも兼ねて、日本で最も巨額なお金を運用しているGPIFについて学んでいきましょう。

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ファイファン編集部中の人

証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター