不動産投資ニュース
バフェット氏の投資基準を学ぼう
FINDING FUNDS編集部です。
貯蓄から資産形成へ。岸田内閣が掲げる「資産所得倍増プラン」により、その流れが加速しています。2022年末に少額投資非課税枠(NISA)の投資枠上限を拡大させる方針が示され、大きく報道されました。
通常、株式や投資信託の売買で得られた利益に対して、20.315%の税金がかかります。100万円儲けても、20万円は税金として国に納めなければなりません。その点、NISA(ニーサ)制度を使って、株式や投資信託を購入すると、配当金を含め、得られた利益に対する課税は免除されます。NISAについては、別コラムで学んでいきましょう。
さて、ここで考えたいのが、投資をする皆さんの理解です。政府の号令をもとに、「えいっ!」とお金を投資することは全くおすすめしません。お金は皆さんの大切な時間と引き換えに得られたものです。残念ながら、お金で時間を買うことはできません。ここまでコラムにお付き合い下さった皆さんだからこそ、きちんとした判断の上で投資をしてほしいと願っています。それこそ本コラムが目指しているものです。今回はバフェット氏の判断基準を学び、投資をより深く理解するための前準備を進めましょう。
バフェット氏の4つの判断基準
判断基準をごく完結にまとめると、「良い会社の株を安く買えるか」となります。会社が評価されるべき本質的な価値と今の株価の差に注目し、「もっと評価されるべきだ!」と思う会社の株を買う彼の手法は、バリュー株投資とも呼ばれています。
判断基準を具体的に言うと、下記の4つです。
① 事業内容が理解できること
② 長期的に事業が成長すると見込まれること
③ 経営層が優秀であること
④ 株価が割安であること
さほど難しくないという印象を持たれた方は多いのではないでしょうか。投資の判断材料としてはごくごく当たり前のことが述べられているようにも思えます。それでは、これらの情報はどこで入手するのかを見ていきましょう。
① 事業内容が理解できること
何らかの投資をされている方に質問です。その投資先について、あなたはどれくらい説明できますか?投資先は一体どこで儲けているのでしょうか。事業を営むにあたってのリスクはどういったものが挙げられるでしょうか。なぜその事業は他の会社にマネされることなく、続いているのでしょうか。今後はどういった方法で事業を大きくしていこうと考えているのでしょうか。
これらの質問に答えられることは、投資先を理解できているか確認する上でとても大切です。会社の事業内容は、企業HPを見ると確認できます。上場企業は、自社の情報を株主に公表する義務があり、HP上で最新の情報をキャッチすることができます。
HP内の会社概要を読むと、大まかに情報を掴むことができます。また、投資家情報やIR情報という項目には、企業が株主にアピールしたい内容が盛り込まれています。中には動画でPRする企業もあり、大変分かりやすくなっています。無料で学べる教材ですので、ぜひ一度ご覧ください。
② 長期的に事業が成長すると見込まれること
企業HPに中期経営計画という資料が掲載されている場合は必ずチェックしましょう。企業の経営陣が事業をどう進めていくのか、目標数値はどれくらいで、どれほどの期間で達成しようとしているのか、具体的に表現されています。
最近はビジョン・ミッション・バリューという、企業が叶えたい目標を掲げているケースも見受けられます。企業が叶えたい未来の姿が、皆さんが思う未来に必要とされていると思えるのであれば、投資する判断根拠となります。
③ 経営層が優秀であること
役員一覧は、1年に1度発行される有価証券報告書で確認することができます。長いもので200ページに及びますが、中ほどに【役員の状況】という項目があります。こちらには役員の氏名、生年月日、略歴、任期、所有株式数が書かれており、どのような背景を持った人が経営に携わっているのか確認できます。
興味がある方は個人向けIRセミナーにご参加されることをおすすめします。日本証券アナリスト協会が主催するセミナーで、代表取締役はじめ経営層から直接話を聞くことができます。最後には質問コーナーもありますので、気になることを聞いてみてもいいですね。
④ 株価が割安であること
今の株価が過去と比べて高いのか、安いのか。代表的な指標がPER(Price Earnings Ratio, 株価収益率)と呼ばれるものです。株価がEPS(Earnings Per Share, 1株あたり当期純利益)の何倍の価値なのかを示す指標で、下記のように求めます。
EPS=当期純利益÷発行済株式総数
PER=株価÷EPS
1株あたりに稼いだ利益と現在の株価を比較することで、株価が割高なのか割安なのかを知ることができます。日本企業の平均PERは15倍であり、大まかな目安となります。稼いでいる利益に対して、極端に高い株価がついている場合、PERは極端に高くなるため注意が必要です。
株価を測る指標は他にもあります。次回のコラムでは、5大商社の①〜④について具体的に見ていきますので、詳しくはそちらで確認していきましょう。
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この記事を書いた人
ファイファン編集部中の人
証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター
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