不動産クラファンで相続対策?その商品性を解説 – 不動産クラファン比較ならファインディングファンド
News

不動産投資ニュース

不動産クラファンで相続対策?その商品性を解説

FINDING FUNDS編集部です。

今年の夏も猛暑となりました。7月12日には東京都八王子市で39.1度を、7月31日には埼玉県熊谷市で39.2度を記録し、身体が溶けるような暑さとなりました。ちなみに、最高気温が35度を超える日のことを猛暑日と呼び、東京都では過去最長となる9日連続の猛暑日となり、年間の猛暑日日数も16日と過去最多を更新しています。記事執筆時点が8月上旬ですので、この記録が更に伸びる可能性も残されています。天気予報で全国各地の気温予想を見ると、外出する気がなくなってしまいますよね。

猛暑の季節、気持ちを落ち着かせられるのはお盆休みの期間ではないでしょうか。お盆は、家族や親戚が集まり、ご先祖様を自宅に迎えて供養する行事です。家族、親族の繋がりを確認し、その支えに感謝する機会ともいえます。私は久しく会っていない親族には、お盆の機会に今の生活や仕事のことを伝えるようにしています。仕事柄、資産形成の相談を受けることが多く、その時には嬉しい気持ちで色々と伝えています。中でも、健康なうちに資産を引き継いでいくためにはどうしたらいいのか、という質問が多くなってきたように思います。

前回のコラムでは、マンション節税の仕組みについてお伝えしました。マンションの評価額計算が相続税を圧縮するカギとなっていた訳ですが、誰しも対策が必要な訳ではありません。ご自身の資産、負債の状況を把握し、税理士に相談の上、必要であれば相続税対策のメニューを選択します。マンション節税は、数あるメニューの内のほんの一部に過ぎません。数千万もするマンションを購入するほどの対策は必要なく、ほんの数百万円分の対策で良いという方も中にはいらっしゃいます。今回のコラムでは、そのような方々のために、相続税対策ができる不動産小口化商品をお伝えします。

不特法の仕組みを使った相続税対策

7月5日付けのコラム「匿名組合契約と任意組合契約の違い」にて、不動産クラウドファンディングには大きく2つの契約形態があること、それぞれの特徴についてお伝えしました。今回のコラムにおいて注目していただきたいのが、任意組合契約の3つ目のポイントです。おさらいのために、内容を再掲します。

3.不動産への投資は現物不動産と同じ扱いとなる

任意組合契約にて不動産へ投資をした場合、各出資者が事業へ責任を持っているため、彼らが不動産へ投資をしたという扱いとなります。結果として相続や贈与における評価額は、固定資産税評価額に基づいた金額となり、相続税圧縮効果が見込まれます。

匿名組合契約の出資者は事業に責任を負わず(有限責任)、事業者に出資したと扱われます。あくまでお金を事業者に渡して、その事業者が得た利益を受け取るという事業ですので、現物不動産を所有しているとはみなされません。

対して任意組合契約は不動産へ投資(現物出資)をした上で、その事業に対して自ら責任を負い(有限責任)、事業期間中は不動産の持分を所有します。出資者は不動産の所有者として不動産登記がなされ、相続発生時にはその時点の評価額が計算されます。つまり、税務上にて現物不動産への投資と同じ扱いとなり、相続税評価額を引き下げる効果を持ちます。不動産特定共同事業法の枠組みの中で任意組合契約を活用することで、相続税対策を目的とした少額からの不動産投資が可能となったのです。

相続税対策に関心がある投資家にとって魅力のある商品ですが、実は事業者にとっても魅力があります。なぜなら、不動産を小口化して販売できるので顧客層が広がる上に、事業責任(リスク)を投資家に移転させることができるからです。

少し話を深めてみましょう。あなたは不動産開発を主力事業とする会社の代表です。土地を買ってきて、建物を建築し、出来上がった不動産を投資家に販売することで売上を出しています。さて、販売先となるお客さんはどのような方でしょうか。

不動産の投資金額は数百万円から数億円、規模によっては数十億円ともなります。億を超える金額を投資する個人のお客さんは少ないですし、数百億円ともなると不動産ファンドを運用するプロの投資家になります。また、不動産に投資する動機も様々です。自分が住む場所として住宅を購入するのか、あくまでも投資収益を目的とするのか、はたまた税金対策として購入するのか、千差万別です。

金額が大きいと提案できるお客さんの層が薄くなり、かといって金額が小さいと開発にかかる手間がかかって仕方ありません。そこであなたは、不特法を活用し、任意組合にて億単位の不動産を小口化し、百万円単位で購入できる仕組みを作りました。こうすることで、不動産を販売する顧客層が広がりますし、相続税対策という商品の特性も加えることができます。また、匿名組合契約とは異なり、投資家に販売した時点で不動産の所有者は事業者から投資家に変わりますので、不動産を保有するリスクを減らすことができます。

投資家、事業者の双方にとってメリットのある任意組合型の不動産小口化商品。この商品作りに取り組む事業者が増えています。次回のコラムでは、事業者の紹介と具体的な商品の特徴を見ていきましょう。

関連するニュース

2024.05.01

今から始める不動産投資

賃貸契約の名義変更が必要なケースとは?手続きの流れについても解説

FINDING FUNDS編集部です。 賃貸物件を所有していると、入居者の事情により契約者の名義を変更するケースがあります。 名義変更とは、賃貸借契約書に記載した契約者の名前を変更することです。結婚や離婚などで氏名が変わった場合に行います。 本記事では、名義変更あ…

2024.04.24

今から始める不動産投資

フリーレントは空室対策に有効?メリット・デメリットも解説

FINDING FUNDS編集部です。 物件広告を見ていると、「フリーレント1ヶ月分」などの条件を目にすることがあります。 フリーレントは一定期間の家賃が無料になる条件です。入居者が入りやすくなることから空室問題を解消するために設定する場合があります。 本記事では…

2024.04.17

今から始める不動産投資

事故物件の損害賠償は遺族に請求できる?告知義務についても解説

FINDING FUNDS編集部です。 事故物件が発生すると、貸室が「心理的瑕疵物件」となるため、次の入居者が入りにくくなります。ケースによっては貸室の原状回復費用がかかる場合もあり、貸主にとっては悩ましい問題です。 本記事では賃貸借契約における、事故物件の損害賠償や告…

この記事を書いた人

アバター画像

ファイファン編集部中の人

証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター