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企業が株主とコミュニケーションを取る理由

FINDING FUNDS編集部です。

2023年4月5日付のコラム「株を買う準備を始めよう」では、証券口座を開設する際のチェックポイントを対面取引とオンライン取引に分けて学んでいきました。オンライン取引のメリットは、手数料が安いこと。コラムでは、『オンライン専門のネット証券では、手数料の引き下げ競争が続いています。例えばSBI証券の親会社であるSBIホールディングスは、「2024年3月期の上半期中に国内株式の売買手数料の無料化を目指す」と表明しています。』と記載しておりました。

続報として、SBI証券は8月31日に「ゼロ革命」と題して、オンラインの国内株式の売買手数料を約定代金に関わらず、また現物取引・信用取引を問わず、恒久的に無料とすることを発表しました。SBI証券が目指すものは、「証券投資の大衆化」であり、売買手数料の無料化により今後「貯蓄から投資へ」の流れは加速していくものと考えられます。楽天証券もまた、同日に国内株式の売買手数料無料化を発表しており、競合他社への影響は大きいものとなります。ちなみにSBI証券は9月30日から、楽天証券は10月1日から国内株式の売買手数料が無料となる予定です。

私が証券会社で勤めていた時、私の提案する株式をオンラインで購入されるお客様がいらっしゃいました。証券会社は手数料ビジネスなので、私を通じて取引をしていただきたい所ではありますが、これも時代の流れなのかと当時は半ば諦めていました。国内株式の売買手数料が無料となった今、対面取引で株式を購入するメリットが薄くなっています。ただ、対面取引も手数料を支払うだけのメリットは少なからずありますので、今後も仕事として残っていくと考えています。

株式を購入していただくと、そこからお客様とのコミュニケーションが生まれます。日々の値動きの報告、企業の決算発表、経済トピックなど、様々な情報をかみ砕いてお客様にとってベストな内容をお伝えする時間は、私にとって代えがたいものでした。これは企業にとっても同じことが言えます。今回は企業と株主のコミュニケーションについて考えていきます。

情報を発信して、お互いの距離を縮める

2022年12月14日付けのコラム「株主になるメリットは何だろう」にて、企業が開催するIRミーティングのことをお伝えしました。IRミーティングは、株主が気にしている①値上がり利益(キャピタル・ゲイン)②保有者利益(インカム・ゲイン)について、企業側が「自社の株式に投資しても大丈夫ですよ!」とアピールする場なのでした。ここで少し考えたいのが、なぜ企業がわざわざIRをするかについてです。ミーティングを行う会場、それに至る準備に必要な時間を考えると、企業はIRミーティングに膨大なコストを支払っていることになります。

例えば、IRに無関心な企業を考えてみましょう。決算報告など、必要最低限の資料を提供するだけで、HPの更新はされず、中長期的な計画も発表されない。社長に至っては、どのような人なのか分からない。株主にとっては分からないことだらけで、本当に投資をしていいのか判断がつかない状況です。ただ、毎年の利益は着実に上げています。あなたなら、この会社の株式を購入するでしょうか。

テクニカル分析という投資判断の手法があります。過去の株価から、将来の株価を類推し、今の株価が買いなのか、売りなのかを判断するのですが、この手法であれば、会社が公表する内容は投資判断に必要ありません。テクニカル分析によって投資判断をされる方は、IRは必要ないでしょう。しかし、投資家は様々なタイプがいます。企業が目指している姿に惹かれる人がいれば、提供している商品に惹かれている人もいます。幅広い投資家にマッチした情報を提供しなければ、投資家が自然と離れていってしまいます。

企業が持っている情報と投資家が持っている情報の量には必ず差が生まれます。これを情報の非対称性と言い、この差が大きければ大きいほど、投資家は企業側の情報を満足に得られず、投資することに疑心暗鬼となってしまいます。この情報の非対称性を埋める活動がIRです。四半期ごとに行う決算発表が代表的なIR活動であり、「アニュアルレポート」という事業内容や経営戦略をまとめた冊子を事業年度終了時に公開する企業もあります。

IRは情報を発信する相手が株主や投資関心層であり、消費者などの大衆に向けて情報を発信する広報とは異なります。発信する情報が企業の財務情報や今後の戦略など、株価に大きな影響を与えるものであり、取り扱いに注意しなければインサイダー情報の漏洩となってしまいます。(インサイダー情報の取り扱いについては、次回以降のコラムで取り上げます。)そのため、IRは投資家との関係を紡ぐ重要な企業活動と言えます。

株主との関係を持ち、継続させるための手段はIRの他にもあり、身近なものでは「株主優待」があります。テレビで株主優待を活用し生活するおじいちゃんを見かけたことがあるのではないでしょうか。次回のコラムでは、株主優待制度について学んでいきましょう。

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ファイファン編集部中の人

証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター