優先劣後構造のメリット・デメリットを考えよう – 不動産クラファン比較ならファインディングファンド
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優先劣後構造のメリット・デメリットを考えよう

FINDING FUNDS編集部です。

先月、お花見を兼ねて京都の鴨川、逆瀬川辺りを散策したのですが、驚いたのが外国人観光客の多さでした。平日・休日問わず人が行き交い、街が活気付いていますね。半袖にジーンズ、バックパックという格好で街を歩いている観光客の姿は、コロナ前に見かけた光景とそっくりでした。京都駅前のタクシー乗り場には、行楽地へ向かうお客さんで長い列ができていました。また、平日の朝の通勤時間帯には、慣れないダークスーツを着込んだ新入社員と思しき人を頻繁に見かけるようになりました。テレワークが徐々に緩和され、人と面会をしながら仕事をする環境に移行しています。私は職業柄、人と会ってコミュニケーションを取る方が好きなのですが、皆さんはいかがでしょうか。

フレッシュな新入社員を見かけると、社会人になったときのことを思い出します。私には仕事のイロハを教えてくださった師匠がいるのですが、「分からないことを分からないと聞けるのは、若い頃だけの特権だ。」と口酸っぱく言われていました。私は今でも恥じらいなく「分かりません」と聞いてしまうのですが、今振り返るとその通りだと思います。誰でも初めてのことは、経験したことがないし、失敗は付き物です。恥ずかしい気持ちを抑えて、勇気をもって周りの人に質問してみましょう。前回お伝えした優先劣後構造も、初めての方には分かりづらい仕組みです。今回のコラムでは、不特法商品を提供する事業者と、それを購入する投資家という2つの視点から、優先劣後構造の仕組みについて掘り下げて考えていきましょう。

投資家も事業者も安心して投資できる仕組み

まず、事業者は投資対象となる不動産を見つけます。今回は例として1億円の不動産とします。この不動産に対し、投資家にいくら出資をしてもらい、事業者がいくら出資をするのかを決めます。前回のコラムの復習ですが、投資家の出資金額のことを優先出資、事業者の出資金額のことを劣後出資と呼びます。今回は、投資家から7,000万円、事業者が3,000万円を出資して不動産クラウドファンディングをスタートしたとします。投資した不動産から年間800万円の収入が得られ、投資家へは投資金額の5%を配当として還元するとした場合、それぞれのメリット・デメリットを考えていきましょう。簡単に表にまとめましたので、ご覧ください。

上図の前提をもとに、投資家側と事業者側のメリット・デメリットをまとめました。

【投資家側】

メリット|出資したお金に対する安全性が高い。

不動産投資では、不動産を購入した時点と売却した時点の差額が利益もしくは損失となります。不動産の価値が上昇した場合は良いのですが、逆に価値が下落した場合には投資したお金が返ってこない可能性があります。優先劣後構造の仕組みでは、不動産が下落した場合は事業者側のお金から目減りしていきます。今回の例では、事業者は3,000万円を出資しています。そのため、事業終了時に不動産の価値が3,000万円以上下落していない場合には、投資家は出資金額を全額返してもらえます。

デメリット|収益の全てを受け取れない。

投資家が出資する金額に対する利益の割合(利回り)は、平均すると5〜6%ほどが相場です。不動産収益の全体のうち、投資家へ分配するお金を差し引いた手残りが事業者の利益となります。事業者も利益を確保するため、不動産収益をそっくりそのまま受け取ることはできません。

【事業者側】

メリット|出資金額に対する収益率が高くなる。

仮に1億円の不動産全てを事業者が購入した場合、賃貸収入として800万円を受け取ります。投資金額に対する収益率は、800万円÷10,000万円=8%となります。さて、前述の図によると、投資家への予定分配率は5%ですので、7,000万円×5%=350万円となります。事業者の収益は800万円との差額である450万円です。収益率は450万円÷3,000万円=15%となり、事業者側の収益率は倍近い数字となります。

このように、他者のお金を用いて収益率を高めることができるのは、事業者側の大きなメリットです。

デメリット|不動産価値が目減りしたときに、はじめに損失を被る。

購入金額より安い金額でしか売却できない場合、損失が発生します。優先劣後構造では、事業者が初めに損失を被ります。投資家側にとっては安全性が高まる仕組みも、事業者側にとってはデメリットとなります。

以上のように、優先劣後構造は投資家側、事業者側どちらにもメリット・デメリットがある仕組みです。この仕組みを元に作られている不動産クラウドファンディングですが、投資対象となる不動産は多岐に渡ります。次回のコラムでは、中でも主要な投資対象である賃貸住宅について学んでいきましょう。

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ファイファン編集部中の人

証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター