不動産投資ニュース
投資信託をチェックポイントに沿って見てみよう
FINDING FUNDS編集部です。
5月は日本企業の決算発表が集中する月です。2022年度の経営成績と2023年度の見通しが投資家に公表されるため、注目度の高いイベントとなっています。本コラムで取り上げたバフェット氏が来日し、投資先企業の経営層と会談したことが大きく取り上げられました。バフェット効果もあり商社関連株式は軒並み上昇。三菱商事の純利益は、総合商社として初の1兆円を達成しました。
通信大手のNTTは1株を25株に株式分割することを発表し、注目を浴びました。株式分割とは、1株を複数の株に分けることを指します。例えば1株1,000円の株式を2株に分割した場合、分割後の株価は500円になります。株式分割は、投資金額を引き下げて、売買を活発化させたいときに利用されます。株式分割を発表した日(5月12日)のNTT株の終値は、4,108円。100株単位で取引されるため、最低購入金額は約41万円です。これが25株に分割されると、1株あたり164.32円(4,108円÷25)、最低購入金額は1万6,432円となり、グッと投資しやすくなります。
今回の株式分割には、NISA制度が新しくなることが要因として挙げられていました。2023年6月30日(金)を基準日として、その日以降、NTT株は分割後の価格で売買されます。新しいNISAでは、上場株式は成長投資枠として年間240万円まで投資できますから、NTT株に投資する株主を獲得したい企業側の思いが伝わってきます。
新しいNISAでは、成長投資枠に加えて、つみたて投資枠が120万円設定されます。これは、長期的な資産形成を目指すものであるため、広く投資対象が分散した投資信託に投資することが指定されています。今回は、実際の投資信託をチェックポイントに基づいて見ていきます。
3つのチェックポイント
過去のコラムでお伝えした投資信託をチェックポイントに沿って見ていきましょう。
① どれほどのお金が運用されているか(純資産総額)
投資信託は定期的に投資対象銘柄を入れ替えます。これをリバランスと呼び、純資産総額が大きい投資信託は、資金に余裕があるため容易にリバランスを行えます。値上がりしそうな株式を見つけても資金不足により投資できなければ、儲ける機会を逃すという結果になります。充分な資金が集まっていない投資信託は、運用会社にとって運用するメリットが薄れ、運用を取りやめる可能性があります。純資産総額が大きい投資信託は、投資家から注目をされ、これまで投資されてきたという裏付けでもあります。
さすが人気の投資信託ですね。3,5のレバレッジ型投資信託でさえ200億円を超える規模で運用されています。eMAXIS Slimシリーズの投資信託は、長期的に保有したい投資家に人気であり、4に至っては2兆円を超える規模です。
② これまでの運用成績は順調か
販売開始から長期間運用されている投資信託は、投資家が運用成績に対して満足しているため、運用が続いていると言えます。過去の成績が良かったからといって、それが将来に渡って続くという保証はないですが、判断材料の1つにはなります。過去半年、1年間、3年間、5年間、設定日以降の運用成績を見てみましょう。
1、4の投資信託は、共にS&P500という指数に連動するように設計されているため、似たような運用成績となっています。3、5の投資信託はレバレッジ(てこの力)をかけて、株価の上下より大きな変動を目指しているため、運用成績のブレが他の投資信託と比べて大きいのが特徴です。日経平均株価は5月19日にバブル後の最高値を更新しました。それを反映してブル型(株価が上がれば、基準価格が上がる)投資信託(5)は運用成績が良く、反対にベア型(株価が下がれば、基準価格が上がる)投資信託(4)は悪くなっています。
③ 3つの手数料は適正か
投資信託には、買う時、持っている時、売る時の3つのタイミングで手数料がかかるのでした。それぞれ、購入時手数料、運用管理費用(信託報酬)、信託財産留保額と呼ばれますが、実際にどれくらいかかるのか見てみましょう。
どの投資信託も買う時、売る時の手数料はかかりません。一方で、持っている間の手数料は、一定の割合でかかります。投資信託は長期的に保有することが前提となっている商品ですので、運用会社としても期間中に定期的に儲かる方が嬉しいという訳です。
1、2、4は、日経平均株価やS&P500といった指数と連動するように設計されており、その指数と同じ割合だけ投資対象銘柄に投資すれば、指数の値動きと投資信託の値動きを限りなく一致させることができます。コストをかけずに運用できるため、信託報酬は低くなっています。3、5のレバレッジ型投資信託は特殊な値動きを追求しており、信託報酬は高くなっています。年間に1%近くの手数料がかかりますので、覚えておくべきコストと言えます。
投資信託はテーマに合わせて、投資対象商品が変わるため、種類が豊富にあります。今回のチェックポイントを合わせて確認して、自分にあった商品を見つけてみてくださいね。
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この記事を書いた人
ファイファン編集部中の人
証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター
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