不動産投資ニュース
消費者物価指数でお金の価値を測る
FINDING FUNDS編集部です。
だんだんと日が落ちるのが早くなり、過ごしやすい気候が続きますね。食欲の秋、食べ物が美味しく感じられる季節です。
私たちの脳内には、セロトニンという食欲を抑える物質があり、日照時間が短くなると分泌量が減るそうです。秋はだんだんと昼間が短くなるので、セロトニンが減り、ご飯を無性に食べたくなるのですね。栗やさつまいもなど、秋にふさわしいスイーツは大変人気です。私は食べることが大好きなので、食べ過ぎに注意しながら季節の味を楽しんでいます。
私たちの生活に欠かせない食べ物ですが、実は知らないうちに価格が上がっています。総務省の2022年7月度報告によると、昨年と比べて牛肉(輸入品)が12.5%、生鮮魚介が13.1%、食用油が40.3%上昇しています。コンビニでおにぎりを買って食べると、思ったより具材が少ないなと思ったことはないでしょうか。価格を変えずに商品の量や質を下げる「ステルス(見えない)値上げ」が始まっています。ちなみにステルス(Stealth)は、英語でこっそり行うという意味です。敵のレーダーに感知されない、ステルス戦闘機という兵器がありますよね。
商品やサービスの値段のことを物価と呼びます。物価が上がり、これまでと同じ値段で商品が買えなくなるということは、お金の価値が下がっているということを指します。100円で食べることができたお寿司が、150円出さないと食べられない。お金の価値が下がり続ける時代が来ています。その中で楽しく生活をするためにも、お金についての知識を深めていきましょう。
お金の価値を判断するものとして代表的なものが、「消費者物価指数」です。
消費者物価指数 (CPI:Consumer Price Index)
消費者物価指数(CPI)は、総務省が毎月公表する数字です。私たち消費者がモノやサービスを購入するときの価格変動を表しており、お金の価値が上がっているのか下がっているのかを判断することができます。ちなみに、野菜や魚、肉といった鮮度が求められるものは季節的な要因により価格が上下するので、これらを指数から除外することがあります。生鮮食品を除いた消費者物価指数を「コアCPI」と呼び、物価をより正確に表すものとして注目されています。
下記のグラフは、総務省が8月に公表した消費者物価指数の推移です。2020年の平均値を基準として、物価がどれほど上がっているのかを示しています。2022年から急激に上昇していることが分かります。
日本銀行の目的の1つは「物価の安定」です。日本銀行は、この消費者物価指数を金融政策の判断材料として注視しています。2013年1月には、消費者物価を前年から2%上昇させること、可能な限り早く実現させることを目標に置いていました。では、物価が安定的に上昇するとどのようなことが起こるのでしょうか。
物価が上がることの好循環
物価が上がると、どうしても嬉しくない気持ちになりますよね。欲しいものを我慢しないといけないのではと不安になる方もいらっしゃると思います。それではなぜ、日本銀行は物価を上げることを目標にしているのでしょうか。それは、物価の上昇が結果的に私たちの生活を豊かにすると考えているからです。
私たちは周りの人を幸せにするために様々な活動をしています。地域に喜ばれるパンを販売することでお金を受け取り、そのお金で従業員を雇い、さらに多くの人にパンを販売していく。お金を通じた経済の成長により、私たちの生活が豊かになっていきます。
商品やサービスの価格が上がることによって、それらを提供する企業の売上も上がります。多くのお金を手にした企業は、従業員の賃金を上げることができます。以前より多くの給料を受け取った従業員は、欲しかったものを買う(消費する)ことができます。モノが売れることで、企業の売上が上がり、従業員の賃金が増え、更にモノが売れるようになる。日本銀行は、こうしたお金の循環を通じて経済が成長していくと考えているのです。
ここで立ち止まって考えたいことが、この循環が本当に実現しているのかということです。循環の中で最も重要な位置を占めているのが、「賃金の上昇」です。物価の上昇と比べて、賃金の上昇が上回っていない限り、この好循環の実現は難しくなります。お給料が増えていないのに、以前より多くのモノを買おうという気持ちにはならないですよね。
世界の状況を見ると、賃金アップを求めたストライキが次々と起こっています。6月20日、ベルギーの首都ブリュッセルでは、7万人以上が抗議運動に参加。6月21日、イギリスの鉄道各社では30年ぶりの規模と呼ばれるストライキを決行。鉄道関係者4万人が参加し、イギリス国内での移動は困難となり、数百万人の利用者に影響が出ました。物価が安定しない現在、世界の情勢がとても不安定になっています。
物価を安定させるために、日本銀行では資産の買い入れも行っています。具体的には、株式や債券といった金融商品を購入することで、経済の下支えをしています。次回は、その内容について学んでいきましょう。
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この記事を書いた人
ファイファン編集部中の人
証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター
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