不動産投資ニュース
不動産クラウドファンディングとは、そのメリット・デメリット
不動産クラウドファンディングの仕組み
不動産クラウドファンディングは、不動産特定共同事業者が投資家から出資金を募り、集めた資金で不動産物件を取得し、運用・売却益によって利益を得て、投資家に還元する仕組みです。
これまでの不動産では借入金によって物件取得、自身で運営や売却といったハードルが高いものでした。一方で不動産クラウドファンディングでは、不動産を小口化することにより、投資家は1万円、10万円など少額での出資ができます。また募集されているファンドには、数ヶ月や1年と短い運用期間で償却するものも多くあります。ファンドによっては利益の優先分配、家賃保証などが用意されている場合もあり、なるべく元本を毀損しないよう工夫されています。
匿名組合型と任意組合型
匿名組合は「商法第535条」に規程される匿名組合契約に基づいた契約形態です。投資家は出資を行いますが、運営に関しては関与せず、責任の範囲も有限(出資額まで)です。匿名組合で得た所得は雑所得となります。
一方任意組合は、出資と共に共同で事業を行います。任意組合において各投資家は物件の所有者(名義は理事長となる事業者の単独名義)となり、責任の範囲は無限責任となります。所得は不動産所得となり、自身で確定申告する必要があります。
任意組合での出資は現物不動産と同様で相続税圧縮効果があります。
匿名組合型 | 任意組合型 | |
---|---|---|
運用期間 | 数ヶ月〜3年 | 3〜10数年 |
所得の扱い | 雑所得 | 不動産所得 |
源泉徴収 | あり(20.42%) | なし(投資家自身で確定申告) |
物件の所有者 | 事業者 | 各投資家(名義は理事長となる事業者) |
節税効果 | なし | 相続税の圧縮効果がある場合がある |
責任範囲 | 有限(出資額が上限) | 無限(出資額以上の損失が発生する場合がある) |
事業者倒産リスク | 倒産した場合出資金が返還されないリスクがある | 倒産しても不動産の権利は残る |
投資家保護の仕組み
不動産特定共同事業者は投資家保護の仕組みを用意している場合があります。
優先劣後出資
優先劣後出資は、投資家を優先出資者とし、事業者を劣後出資者とすることで、万が一損失が発生した場合、劣後出資者である事業者の元本から毀損することで、投資家の元本を守る仕組みです。
事業者の元本を超える損失が発生した場合は、投資家の元本も毀損します。
家賃保証
取得した物件を第3者とマスターリース契約することで、安定した家賃収入を得られるようにする仕組みです。賃貸収入型の運営をするファンドにおいて、空室リスクを避けるために導入されます。
信託銀行による未投資金の保護
信託銀行を活用し、投資家の未投資金を保全します。
信託銀行口座に未投資金を預けておくことで、万が一事業者が倒産した場合でも、委託者代理人を通して信託財産の返還が行われます。
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