不動産投資ニュース
中期経営計画から会社が発信する情報を掴もう
FINDING FUNDS編集部です。
情報の伝え方、伝わり方を考える機会が増えてきたように思います。きっかけは過去のコラムでもお伝えした、イーロン・マスク氏によるTwitter社の買収です。マスク氏は、買収の理由を「文明の未来にとって、暴力に頼ることなく、幅広い信念を健全な方法で議論できるデジタルな広場を持つことが重要だからです。」とコメントしています。
(2022/10/27のツイートを引用。『The reason I acquired Twitter is because it is important to the future of civilization to have a common digital town square, where a wide range of beliefs can be debated in a healthy manner, without resorting to violence.』)
Twitterの他にも、InstagramやTikTokなど、情報の伝達媒体は多岐に渡ります。そして、ネットを通じて自由に情報をやり取りする場所が提供され、有象無象の内容が溢れています。スマホをタップするだけで欲しい情報に届くので便利な反面、その情報を元に判断する力が今まで以上に必要になっています。今回のコラムでは、企業が発表する中期経営計画をもとに、事業内容を分析する方法を学んでいきます。企業が伝える情報を受け取り、正しく投資判断する術を身につけましょう。資料デザインは、企業ごとに多種多様なので、社会人や学生の皆さんにとっては、パワーポイント作成のヒントにもなると思います。
繰り返しとなりますが、バフェット氏の投資判断基準は下記の4つです。
① 事業内容が理解できること
② 長期的に事業が成長すると見込まれること
③ 経営層が優秀であること
④ 株価が割安であること
②と③は、事業の将来とそれを実現するために従事する経営者について見ていく必要があります。これは企業のHPや中期経営計画(略して中計)を参考に見ていきましょう。中計は企業が将来の目標を掲げ、現状とのギャップをどう縮めていくかを示した、いわば経営の羅針盤と言える資料です。ここには企業のありたい姿、叶えたい夢が描かれているので、心がワクワクする内容と出会うこともあるでしょう。
中計を並べる、比べる
中期経営計画は下記URLをご参照ください。
それでは、各社が掲げる目標を見ていきましょう。
伊藤忠商事
「SDGs」への貢献・取組強化および「マーケットイン」による事業変革。中計期間中に連結純利益6,000億円の達成を目指す。(ちなみにマーケットインとは、お客さんの意見をくみ取って製品開発を進めることを意味します。ファミリーマートを始めとする生活関連事業が売上の40%を占める伊藤忠商事らしい目標です。)
丸紅
「グリーン事業の強化」と「全事業のグリーン化推進」により、グリーンのトップランナーへ。中長期的な企業価値の向上を追究し、2024年度に連結純利益は4,000億円を、ROEは15%を目指す。(ROEは、Return On Equityの略で自己資本利益率を意味します。株式会社にお金を提供した株主にとって、どれだけ効率的に利益を稼いでいるかを示す指標です。奥深い内容なので、追って学んでいきましょう。)
三井物産
「変革と成長」を実現する為に6つのCorporate Strategyを策定。(①事業経営力強化②財務戦略・ポートフォリオ経営の進化③人材戦略④Strategic Focus⑤基盤事業の収益力強化と新事業への挑戦⑥サステナビリティ経営/ESGの進化)2023年3月期に当期利益は4,000億円を、ROEは10%を達成することを目標とする。
住友商事
高い収益性と下方耐性の強いポートフォリオへシフトする。市場の魅力度、自社の強みを踏まえて以下の分野を強化、育成していく。(DX、次世代エネルギー、社会インフラ、リテイル・コンシューマー、ヘルスケア、農業)2023年度には当期利益3,000億円以上の最高益更新を目指す。
三菱商事
EX(エネルギー資源に関わる技術革新)やDX・成長投資(デジタル技術に関わる技術革新)に関連する分野へ重点的に投資。2024年度までに3兆円の投資を予定。連結純利益は8,000億円、営業収益は年間1兆円を目標とする。
いかがでしたでしょうか。各社とも共通するのは、環境に対する投資姿勢を強く打ち出していることです。
環境に対して高い意識を持つ総合商社
総合商社はエネルギー資源や食料といった、生活に欠かせないモノを取引しています。彼らが目標を失い、事業が成り立たなくなってしまうと、私たちの社会全体に大きな影響を与えることでしょう。そのため、各社とも社会課題、とくに環境に対する高い意識を持っています。
例えば、三菱商事はEXと呼ばれるエネルギー資源に関わる事業への投資が積極的です。2022年4月には米マイクロソフト創業者のビルゲイツ氏が設立した脱炭素をテーマとしたファンドへ1億ドル出資したと発表しました。
(三菱商事株式会社(2022.4.25) 「革新的な脱炭素技術の社会実装を加速させるBreakthrough Energy Catalystへの参画について」https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/pr/archive/2022/html/0000049015.html)
URL内の動画では、ビルゲイツ氏自らが限りあるエネルギー資源をいかに有効に活用していくか、その必要性と実現までのビジョンを語っています。空気から直接二酸化炭素を抽出するといった事業構想には、環境を守り継いでいくという強い意志が感じられます。緑豊かな自然と共に暮らしていく。そんな未来が想像でき、とてもワクワクしませんか。
次回のコラムでは、バフェット氏の投資判断基準の4つ目「株価が割安であること」を確認していきましょう。
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この記事を書いた人
ファイファン編集部中の人
証券会社での飛び込み営業から不動産テックベンチャーへ転職。現在は金融と不動産、ITを掛け合わせた専門家となるべく、日々奮闘中。
FUNDING FUNDSのコラムを通じて、日本全体の金融リテラシーを向上させることが夢。趣味は街歩きとカフェ巡り。
日本証券アナリスト協会認定アナリスト / 不動産証券化協会認定マスター
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